パソコンでインターネットをしていたら、突然『ウイルスに感染しています』の画面が開き、警告音声が繰り返し流れて驚いた といった経験はありますか?
今回、実際に体験したので、その時の状況と対応、調べて分かった事を記事にしてみました。
知っている事により、今回紹介するような事象に遭遇した場合でも、落ち着いて対処する事ができると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください^^
ウイルスに感染!?
僕の実家には、父がネットしたりメールしたりするパソコンが1台あるのですが、
先日、その父から 「インターネットしてたら、ウイルスに感染したみたいなんだけど、どうすればいいのこれ?」と、連絡がありました。
どゆこと? と、思いつつも見に行ってみると、画面一杯に警告の文章が表示されていて、パソコンがウイルスに感染しているから急いでサポートに電話して!といった内容の音声が、繰り返し流れていました。
表示されてた実際の画面はこちら。
音声は、女性の声で次のように言っていました。一部抜粋です。
耳コピなので違っている箇所があるかもしれません。
『 あなたのPCはダイニーバンクトロイアに感染しています。
このウイルスはクレジットカード情報、フェイスブックのパスワード、その他の個人情報をリモートIPアドレスを通してハッカーに送信します。
フリーダイヤルで当社に今すぐお電話ください。
われわれのマイクロソフトサポートエンジニアがお電話でウイルスの削除方法をお教えします。 』
父の話だと、ニュースサイトを見ていたら突然表示され、
反射的に閉じようとしたらしいのですが、×ボタンを押しても反応せずに閉じられなかった との事でした。
なんてことでしょう。実家のパソコンはダイニーバンクトロイアとかいうウイルスに感染してしまったのでしょうか?
答えはいいえ。
これは、マイクロソフトのサポートを装った詐欺の手口なのだそうです。
画面に書かれている番号に電話をかけると、「ウイルスを駆除する対応のため」と言ってパソコンの遠隔操作を許可させて、
アプリをインストールされて料金を請求されたり、ウイルスを混入されて個人情報を抜かれたり 等と、
様々なパターンの詐欺行為を仕掛けてくるそうです。
記載されている番号には絶対に電話してはいけません。
ちなみに、ダイニーバンクトロイアとかいうウイルスは存在しないそうです。
ニセ警告画面を閉じるには
警告画面が閉じれない場合の対処法
警告画面を閉じるためにブラウザの×ボタンをクリックしても反応しない。
そんな場合、タスクマネージャーを使ってブラウザを終了させる方法が有効です。
タスクマネージャーとは、
コンピュータの状態や、動作しているプロセスやプログラムに関する情報を確認する事ができるプログラムです。
状態を見るだけでなく、実行中のプロセスやプログラムを終了させる事もできます。
手順は次の通りです。
①【Ctrl】、【Sift】、【Esc】の3つのキーを同時に押すと、
タスクマネージャーが起動します。
②タスクマネージャーに表示されている実行中のアプリケーションから、利用しているブラウザを選択し、右下の【タスクの終了】ボタンをクリックします。
これでブラウザが閉じられて、ニセの警報画面も消えます。
詐欺被害にあわないために
今回うちの場合は、PCで何か不具合があったら余計な事はしないですぐに連絡するよう言い聞かせてあったので、下手に操作されたり、書いてある連絡先に電話されるといった事はありませんでした。
しかし、突然警告画面が表示されて、繰り返される音声で危機感をあおられたら、不安になって電話してしまう気持ちも良くわかります。
相手もそれを狙ってやっている事でしょうしね。
被害にあわない為には、ユーザー自身のリテラシーをあげる事が大切です。
結局のところ、知っているという事が一番の盾となるのです。
今回この記事を読んでくださった方は、このような詐欺がある事を知りましたし、もし今後このような事象に遭遇してしまったとしても、冷静に対応できると思います。
最後に、今回のケースから学ぶべき、詐欺と見破るためのポイントを確認してみましょう。
① 電話番号は大丈夫か確認しよう。
記載されているフリーダイヤルの電話番号が0120ではなく050だった。
フリーダイアルで電話して下さいとの事ですが、番号は0120ではなくて050でした。
不審に思った電話番号は、ネットで検索する事によって情報を得られる場合があります。
今回の番号を検索した結果はこれ
詐欺に使われている番号だという情報が出てきますね。
そもそも聞きなれないけど050って? と思い、調べてみたところ、050から始まる番号は『 IP電話 』なるものだそうです。
IP電話とは、インターネットを通じて通話ができるサービスで、プロバイダに簡単な手続きをするだけで無料で利用する事ができるそうです。
無料のため、迷惑電話や詐欺電話に利用される事も多いらしいです。
② そんな機能が存在するのか知ろう。
結論:そんな機能はない。
パソコンを常時監視していて、ウイルスに感染したら即時警告画面と音声で知らせてくれる。
記載されている番号に電話するとサポートが親切丁寧に対応してくれる。
Windowsにはそんな機能、サービスはありません。
ネットをしていて、突然警告画面が開いて音声が流れた時点でおかしい、怪しいと思えると良いですね。
③ URLは正しいか確認しよう。
もし、本当にマイクロソフトサポートの警告画面だとすると、
URLは「 https://support.microsoft.com 」のはずです。
記載は避けますが、今回の警告画面のURLはhttp://で始まるIPアドレスと謎のアルファベットの羅列でした。
URLは、始まりが「 https:// 」だと通信内容が暗号化されていて、「 http:// 」から始まっていると、暗号化せずに通信しているという事です。
いまどき、大手の企業が通信を暗号化しないわけがないので、つまりはそういう事となります。
冷静に確認できれば、いろいろと不審に思えるポイントがありますよね。
とにかく、今の時代パソコンを持っている人のほとんどがスマホも持っていると思いますので、こういった事象に遭遇してしまったら、
まずは慌てず、パソコンはそのままにしていじらず、スマホで検索する事を心掛けましょう。
きっと何かしらの情報が得られる事と思います。
以上で、僕の体験したダイニーバンクトロイア詐欺の話を終わります。
この記事によって、少しでも疑問や不安が軽減されれば嬉しく思います。
一人でも被害に合われる方が減りますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^